記事: захлороформировать -KarDiaN Chloroformについて-

захлороформировать -KarDiaN Chloroformについて-
захлороформировать.
ロシア語をかじったことのある方なら読めるでしょうか。意味まで分かる方は、ほとんどいらっしゃらないでしょう。
無理矢理ですが、「ザフリァラファルミラヴァーチ」のような読み方をします。
意味はなんと……
「クロロホルムで酩酊状態にする」。
物騒ですね。
自分がロシア人だったとしても、人生において一度も使わない自信があります。
「昨日のライブどうだった?」
「いやあ、最高だったよ。完全にзахлороформироватьされちゃったね」
普段からそんな単語ばかり使っていたら、舌の残機がいくつあっても足りませんね。
実際、ロシアでも日常会話で使うような言葉ではなく、小説や映画などでしかお目にかからないような動詞だそうです。
ロシア語を勉強している妹から教えて貰った言葉なのですが、日本でもクロロホルムなんて言葉はミステリーやサスペンスくらいでしか目にしませんもんね。

↓ 妹のYoutubeチャンネルです
不亜頭ひずみチャンネル
↑ リンク
さて、勘の良い方はお気付きでしょうか?
クロロホルム……クロロホルムといえば!!
……もちろん、KarDiaNのChloroformですよね。
「ガラスのような音」という表現は、ローゲイン系のエフェクターではよく使われる言葉です。
こちらのクロロホルム。
その音にも、確かにガラスのような透明感があります。
ですが、ただ透明なだけではありません。
そこには、ほんの少しだけ好奇心を引き立てるような曇りがあります。その曇りが、弾き方によって様々な色に変わってくれる。
単純なようでいて、弾けば弾くほど奥深い。
例えるなら、色つきガラスでしょうか。光が当たる角度によって見える色が変わる、あの感じ。
だから、私にとってのクロロホルムとは、
まさにステンドグラスのような歪みです。
弾いていると気持ちいい。でも、気持ちよすぎてちょっと眠くなる。
「お、これは良い音だな……」
と思いながら弾いているうちに、いつの間にか時間が経っている。
KarDiaNのすべての製品に共通する素晴らしい部分。
それは、ローミッドだと思います。
それから、絶妙にチューニングされたベースとトレブルのコントロ
この2つを触るだけで、音をモダンにもヴィンテージにも持っていける。
このあたりもKarDiaNらしいところでしょう。
特にクロロホルムは、かなりオーガニックな歪み方をするエフェクターです。
俗に言う「トランスペアレント系」の中でも、かなりギターとアンプの良さを潰さずにマッチしてくれる。むしろ、ギターやアンプが持っている良さを、アクセントとして際立たせてくれる。
「俺色に染めてやるぜ〜美味しいだろ〜」というより、「素材の味がよく引き立てられていて美味しい! アスパラってこんなにやれる奴だったのか!」と、
ギターやアンプの肩をポンと叩いてくれる調味料のような感じです。
焼肉のタレではなく岩塩、と言えば分かりやすいでしょうか。
もちろん、歪みエフェクターなので歪みます。でも、主役の座を奪わない。
この絶妙な距離感が、クロロホルムの魅力だと思います。

【増殖するクロロホルム】
そして個人的に、クロロホルムのもう一つの魅力があります。
それは、様々なバージョンが作られていること。
こういうの、コレクター気質のある人にはたまらないですよね。
「一台持っているからもう十分」
……と思っていたはずなのに、
「これは初期型だから……」
「これはMODだから……」
「こっちはゲイン違いだから……」
と、気がついたら増えている。
エフェクターというものは恐ろしいですね。
ビッグマフやトーンベンダーなんかのヴィンテージにも言えることですが、
トレブルブースターの要素を入れ、ほぼ別物と言っていいほどキャラクターが変化しているのが、
Chloroform Kyomurasaki。

よりゲインを上げたバージョンの、
Chloroform Ultra Gain。

特にKyomurasakiは、クロロホルムの透明感を残しながらも、トレブルブースター的なニュアンスが加わることで、また違った表情を見せてくれます。
そしてUltra Gainは、その名の通りクロロホルムのゲインアップ版。
「もう少し歪んでほしいんだけどなあ」
という人に、「じゃあ、もっと歪ませましょう」
と真正面から答えてくれた存在です。

ここで、私が所有している、
珍しいバージョンのクロロホルムをご覧ください。
右から、
・ビルダーの北田さんが手ずから組んでいた時代のファーストロットのクロロホルム
・少し前のバージョンのハイゲインMOD
・現行品のローゲインMOD
・キョウムラサキ Silver&Blueカラー
・キョウムラサキの初期カラー
となっています。
こうして並べてみると、なかなか壮観ですね。
そして、改めて思います。
わたしは一体、何台クロロホルムを買えば気が済むのだろうか、と。
MOD品は、ミュージシャンや北田さんと縁のある方などのために特別に制作されていたものです。
そのため、通常のラインナップとはまた違った面白さがあります。
ちなみに、写真のハイゲインMODは、現在ではUltra Gainとして通常販売されているものですね。
こういう「昔は特別仕様だったものが、後に正式なモデルとして世に出る」という歴史も、エフェクターを集める楽しさの一つだと思います。
音だけではなく、そこに至るまでの背景まで含めて楽しめる。
だからエフェクター収集はやめられない。

クロロホルムには、もう一つ大きな魅力があります。
圧倒的にノイズレスなところです。
ここで、クロロホルム三台掛けの動画を見てみましょう。
クロロホルム三台掛け!!!
↑ 動画リンク
どうでしょうか?
三台繋いでも、このノイズのなさ。
これはなかなか凄いと思います。
通常のオーバードライブを三台繋いだら、もはや、「音を出している」というより「ノイズマシーンを押さえつけている」くらいの状態になってもおかしくありません。
しかしクロロホルムは、三台繋いでも非常にクリア。
もちろん、使用するギターやアンプ、電源環境などによってノイズの出方は変わりますが、それでもこの徹底的にノイズが除去されたクリアさは、KarDiaN製品の大きな魅力の一つです。
歪ませているのに、音の輪郭が崩れない。
ゲインを上げても、音が濁っていかない。
そして、ギターを弾いていないときには、
ちゃんと静か。
これは地味なようで、とても高度で大事なことです。
せっかくなので、最初に紹介したロシア語の動詞をもう一度。
захлороформировать.
「クロロホルムで酩酊状態にする」という、人生で使うことがある>のかないのかよく分からない動詞ですが、エフェクターを何台も買って、何時間も音を出して、気がついたら財布が軽くなっている我々にとっては、案外身近な言葉なのかもしれません。
本当に?
ともあれ、このブログではこれからも不定期にではありますが、エフェクター専門店の店長がおすすめのエフェクターをご紹介していく予定です。
エフェクターの話を中心にしつつ、ちょっとした楽器の雑学や、音楽をやる上で少しだけ役に立つかもしれない話、そして知ったところで何の得にもならない雑学なども、箸休め程度に挟んでいこうと思います。
エフェクターを探している方にも、そうでない方にも、楽しんでいただけたら幸いです。
それではまた次回。
次回も、あなたをзахлороформироватьする一台
↓ 商品ページ


コメントを書く
このサイトはhCaptchaによって保護されており、hCaptchaプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。