記事: 100万のエフェクターを、黒く塗った日 -KLON Centaurについて-

100万のエフェクターを、黒く塗った日 -KLON Centaurについて-
黒歴史って、あるじゃないですか。
あれって元々はガンダム用語で、ヒゲガンダムことターンエーガンダムの作中に出てきた造語なのですが、今では当たり前に浸透していますね。
そんな黒歴史、誰にでも1つや2つあるとは思いますが、勿論店長こと私にもあります。
それがこちらです。
筐体を見れば一目瞭然。KLONのCentaurですね。
「いや色おかしくない?」
「ケンタウロスに黒はないよ」
有識者であればそうおっしゃるでしょう。
ケンタウロスにはゴールドとシルバーがあり、絵があったりなかったり、尻尾が長かったり短かったりするのですが、確かにブラックカラーはありません。
……塗っちゃったんですよね。
これがコピー品ならよかったのですが、何を隠そう本物で、しかもロングテールのケンタウロスを。
いやはや、若さとは恐ろしいもので。
当時高校生だった私は、コロナ禍ということもあって外で遊ぶことも出来なかったことからお金の使い道がなく、なにをとち狂ったのかその年のお年玉を注ぎ込んで、伝説への憧れだけでシルバーのケンタウロスを購入したのです。
しかしメタリカ信者だったこともあり、ぜんぜん歪まないケンタウロスをまったく気に入らず、ボードに入れることもなく放置していました。
しかし、そんなケンタウロスにもついに日の目が当たります。なんとなく見たジョンメイヤーのエフェクターボード、そこには彼が黒く塗装したと見られる漆黒のケンタウロスが鎮座していたのです。
「100万のエフェクターを黒く塗っちゃうとかなんてロックなんだ!」
変なところに感銘を受けた私は、翌日には伝説のエフェクターにダイソーで買ったスプレー缶を向けていました。
もちろん筐体からパーツを外してから。
今思えば、初めて分解したエフェクターはケンタウロスでしたね。

ジョンメイヤーの黒塗りケンタウロスは【ブラックアウト・ケンタウロス】などと一部では言われているのですが、なんてクールな名前だ! とまたもや感銘を受けた私は、自分の黒塗りケンタウロスを【ブラックレガシー】と名付けて気に入っていました。
この名前がもう黒歴史っぽいですね。
そんなこんなあって、ケンタ原理主義者から殺されかねない行為をした私は2年後くらいにその過ちに気付き、ヴィンテージ穢し罪などで訴えられないようにと、この事は誰にも話さずに黒歴史として封印しようと、ダンボールの奥底に封じ込めてきました。
しかしまあ楽器屋を始め、ブログも始めたのを機に、この黒歴史を開放し、音は普通のロングテールのケンタなので、店舗に来たお客様に是非弾いてもらおうと考えました。
昨今の高騰でなかなか実物を見る機会も減ってしまったケンタウロス。製造数8000台、現存数はマイナス1000ほどでしょうか?
ロングテールとなるとさらに数は絞られるでしょう。
実機を弾いてみて、感動していただいたり、こんなもんか、とガッカリしていただいたり。どんな受け止め方でも、本物に触れる経験は悪いものにはなりません。

欲しいエフェクターがあって、ついでにヴィンテージも弾いてみたい。
そんな時に、当店に来ていただければ幸いです。
皆様にはありますか? 封印している自分の歴史は。
いっそ誰かに話すとスッキリするかもしれませんね。
私はちょっとスッキリしました。
楽器をやっていれば、パンクな思い出の一つや二つあることでしょう。
【ブラックレガシー】を見る度に、高校生の頃の自分がロックな奴すぎて頭を抱えたくなる日もありますが、私たちに月光蝶はないので文明ごと歴史を消すことはできません。
さて、今回はここまでにいたしましょう。書いていて頭が痛くなってきました。
ここで少し発表があります。
先ほども少し書きましたが、当店では店頭でエフェクターをご購入いただいたお客様に、ヴィンテージペダルを体験していただけるサービスをご提供しようと考えています。
今紹介した【ブラックレガシー】なケンタウロスは勿論、ラムズヘッド期のビッグマフなど。
知ってはいるしコピーモデルは持っているけど、実機には触ったことがない、という方は多いと思います。
是非、本物と比較してみてください。店長の私物ですので、当店ではいつでも試奏していただけます。
ではまた、次も記憶を掘り返すような一台をご紹介します。

↑ 体験していただけるヴィンテージペダル


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